水害に備えた家づくり

今年のお正月に起きた能登半島大地震以降
家づくりにおける地震に向けた対策について
お客様から伺うことが多くあります。

最近ではそれに加え、昨年の中国地方での
水害を見て、水害に対するご相談も多く頂戴します。

お家を建てる際には、洪水や浸水といった
水害も決して「自分には関係の無いこと」と思わず
水害による被害をどう避けるかといったことも
しっかりと考えておくのが、非常に大切です。

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家を建てる際の代表的な水害対策としては
『盛り土』があります。

敷地全体に土を盛って、敷地自体を高くするのです。
水は高い所から低い所へ流れるため、敷地自体を
高くすれば、家全体を水害や洪水といったような
水害からお家を守ることができます。

お家を立てる土地が周囲の家や道よりも
低くなっている場合には、必要な工事ですね。

ただ、住宅地などでは、隣のお家の日当たりを
妨げないよう、屋根の高さの制限があったりもします。

高さを上げるのにも限度はあります。
また、盛り土は土なので、それ自体の自重が重いです。
そのため地盤が弱いところでは、逆に沈んでしまう
原因となってしまう可能性もあります。

河川に近い場所などは、地盤の弱い低地であることが多く
盛り土をして家を建てる時は、その土地の特性と周囲の状況を
よく考慮する必要があります。

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他には、『家の床を高い構造にする』という方法もあります。
住宅の基礎の部分を、通常よりも高くすることで
家自体を高くするのです。

家を建てる時、まずコンクリートで基礎を作りますが
この基礎を通常よりも高く作ることで
洪水が起こってしまった時などに、床上まで浸水しまうのを
防ぐことができます。

ただ、基礎を高くして床を高くする構造の場合
床上浸水は防げても、床下浸水の可能性は十分にあります。
ちなみに床の高い構造は、水害対策以外にも
湿気対策としても有効です。

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なお、この「床上浸水」と「床下浸水」の違い
文字通りお家の床下までの浸水で留まったのか
床の上まで浸水してしまったのかというものです。

床下浸水の場合は、基本的な対処としては3つ

1.排水・・・床板や畳を外し、溜まった水や泥をかき出します。
特に泥が残っているとにおいの原因にもなるため
隅々までかき出し、真水で洗い流します。

2.乾燥・・・生乾きのままだとカビや臭いの原因に
なってしまうため、扇風機などを使いしっかりと
場合によっては1週間以上かけて乾燥させます。

3.消毒・・・洪水など外からの水で浸水してしまった
場合、浸水した水に下水や汚水が混じっていることが
多々あります。
すると、雑菌が繁殖しやすく感染症の原因にも
なり得るため、排水・乾燥をさせた後には
しっかりと消毒する必要があります。

一方、床上浸水の場合は、
床下浸水と比べて被害ははるかに大きくなります。

被害額は床下浸水の7倍にものぼると言われ
2階まで浸水してしまった場合などは
建て替えを視野に入れなければならない場合もあります。

床上まで浸水してしまうと、水に浸かった部分やものは
洗ったとしてもひどい臭いが取れず、床置きの電化製品や
家具・リネン類をはじめ、壁紙やクッションフロアなども
交換や張り替えが必要になる場合が多いです。

このように最悪でも床上浸水を防げるよう
私たちが家づくりの相談をいただく際には
土地の高さや地質、周辺環境によって
建築場所と家の床の高さなどを加味しながら
お話しを進めていきます。

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